「これから起業したい」と考えている人が最も知りたいことは下記のことです。
「自分も起業したい」「いつか起業できたらいいなぁ」「もうそろそろ起業したい」「起業しようと決めた」という人たちが知りたいコトは下記の5つに集約されます。


    ①これからどのようなビジネスをやればいいのか?(what、where)
    ②いつから始めれば一番有利なのか?(when)
    ③必要な資金をどうやって調達すればいいのか?(how)
    ④どうすれば起業できるのか?(how)
    ⑤自分は成功するだろうか?失敗するだろうか?


 もちろん上記の5つは、起業の成否を分けることになる重要な項目です。上記のすべての疑問が解消すれば「起業したい人」は「始める」かもしれません。

 しかし、これらについてのすべての項目で「正解」が得られる人はほとんどいません。だから、実際に起業する人が少ないのです。

 現在、「起業したいという人」が100人いたとしたらその中で実際に起業する人は2〜3人しかいない、と言われています。「起業したい人」を対象にしたセミナーを20年間担当してきた私の現状認識も同じです。

 そして、極めて少ない「起業した人」でも、始めて1年以内に半分は失敗して止めてしまうのです。5年も経てば始めた人の9割は失敗しているのです。それなのに、起業して失敗する人が多いのは何故でしょうか?

 それは「本当の成功要因・失敗要因」を知らないからではありません。実は、それらは、もうかなり解明されてきているのです。

 むしろ、いま問題なのは、「起業の成功要因・失敗要因」を教えられても、それを「納得できない」人が多いのです。最も重要な要因だと教えても、それを認めようとしない人が少なくないのです。

 人間は納得できないことは自分に取り入れることないからなのです。

 なぜ「本当の成功要因・失敗要因」を教えられても「納得できない人」が多いのでしょうか? 

 それは、社会に流布している「成功要因・失敗要因」と異なっているから「納得できない」のです。「受け入れられない」のです。

 なぜ、人は「社会で流布している成功要因・失敗要因」を信じて、「本当の成功要因・失敗要因」を信じようとしないのでしょうか?

 実は、それを解明することも起業心理学の課題の一つなのです。いまや「起業心理学」は、「成功要因と失敗要因を教える」より、それを否定しようとする人、認めようとしない人に、どのようにすれば納得して貰えるのかが、大きな課題なのです。