「起業家はなぜ起業するのか?」というテーマは、もしかしたら「人間はなぜ犯罪をしてしまうのか?」という犯罪心理学と似てくるかもしれません。

 同じサラリーマンでも、「定年まで勤め上げたい」と願っている人と、「いつかは起業したい」と思っている人の違いがいつ頃から、どのようなことがきっかけで生じるのかを解明することは、産業心理学と似てくるかもしれません。

 同じような学校教育を受けていても、同じような仕事をしていても、人が考えつかない独創的なビジネスアイデアを考えつく人と考えつかない人がいます。どこが違うのか? その解明は学習心理学思考心理学と似てくるかもしれません。

 起業家を目指す人が「サラリーマンから起業して、やがて成功していくプロセス」の解明は、子供の成長段階を追う発達心理学と似てくるかもしれません。

 自分の職業上の能力向上を目指している人の中には、制約多い組織人としての身分に飽きたらずに、高度なレベルの仕事への挑戦を求めて起業する人もいます。そのためキャリア心理学とも似てくるかもしれません。

 周囲から「社長」と呼ばれる人でも、自分で起業した創業経営者と、親の創業した会社を継いだ跡継ぎ経営者や、社内で出世の階段を登り詰めて社長になったサラリーマン経営者との違いを解明することは、人格心理学と似てくるかもしれません。

 マスコミは成功した起業家を一度は称賛記事で持ち上げておきながら、事故や事件、トラブルなどから一転して避難非難記事でたたくことが多いですが、その理由を解明することは、社会心理学と似てくるかもしれません。

 私は各地の起業セミナーで「起業家の成功要因・失敗要因」を話すときに、誰でも理解しやすいように「起業」と「結婚」を対比しながら説明することがあります。そのため、結婚心理学とも似てくるかもしれません。