現在、各地の商工会議所や自治体、民間企業が、「起業塾」「創業塾」という名称で起業支援のためのセミナーを開催しています。もちろん、私も依頼されてその講師をさせて頂いています。

 21年間、その種のセミナーを受講した人たちを観察し続けてきて、ある「無視できない事実」に気づいています。

 それは、「起業したい」と思っていながら、実際に起業する人は、実際には数%しかいないのです。つまり殆どの人は「始めたい」と思いながら、結局は「始めない」のです。「始められない」のです。
 
 そして、その始める人が少ないのにも関わらず、せっかく始めた人の半分は一年も「続けられない」のです。3年たてば10%も残っていないのです。

 起業した人の中には5年、10年と続けている人もいますが、その大半の人は「起業家として成長する」ことができずに、「起業したこと」を後悔し、「廃業」か「転業」を考えているのです。

 我が国では産官学で「起業支援」を唱えています。そのための予算、施設、制度、事業を展開しています。それなのに「始めない」「始めても続かない」「続けていても成長しない」人たちが大半なのです。

 その原因はどこにあるのでしょうか? その原因を、当人の心理面から解明しようというのが、起業心理学の目的なのです。